ビジョナリー・カンパニーとは?【時代を超える生存の原則】

仕事
この記事は約7分で読めます。

久々にジムコリンズのビジョナリー・カンパニーを読みました。

かなり久しぶりに読みましたけど、この本が1995年に発売されたとは思えないほどに中身が濃いなと改めて感じましたので皆様に共有したいと思います。

ジム・コリンズの【ビジョナリー・カンパニー】は2022年現在で四半世紀前に執筆された傑作です。

星野リゾートの4代目代表をはじめ、多くの名経営者の座右の名著と紹介されてきました。

【ビジョナリー・カンパニー】とはどんな会社を指すの?

今回、こちらの名著を紹介するのには理由がありまして、6月中旬に四季報2022年3集が発売されました。

私は、かれこれ数十。

そんな最中、いつも通り四季報を読んでいる中で、業績が良いのに驚くべき過小評価されている企業群が多いなと言うのが私のこの3集を読んだ感想でした。

そこで、過去に、1990年代のアジア通貨危機、2000年代のITバブル、08年のリーマンショック、その後ギリシャショックと数々の戦況の中で戦ってきている企業群の中でも、偉大な企業(ビジョナリー・カンパニー)とは、どういった企業を指すんだろうと思い、過去に読んだビジョナリー・カンパニーを引っ張り出してきて再講読をした結果をまとめます。

結論ですが、過去も現在も、時代の流れの中で、流行り廃りのある経営手法がよく日経系の番組等では議論の中心に置かれますが、結局流行りは、流行りなのです。

サブタイトル通り【時代を超える生存の原則】に沿った経営をしない限り、栄枯盛衰の波に飲まれてしまうのです。

原理原則とは、いつの時代でも変わらないものです。

2500年前に仏教を世界に広めた(正式には思想が広まった)お釈迦様をみれば容易に理解できます。

真理は不変です。

どんな事にでも当てはまるのです。

そして今回は企業に当てはめて、企業運営の原理原則をみていきましょう。

ビジョナリー・カンパニーの定義とは?

まず、ここでビジョナリー・カンパニーの定義を決めないと、どんな会社がビジョナリー・カンパニーなのかすら不明のまま話を進める事になってしまいます。

著者が定義しているビジョナリー・カンパニーの定義は6つです。

■業界で卓越した企業である。

■見識のある経営者や企業幹部の間で、広く尊敬されている。

■わたしたちが暮らす社会に、消えることのない足跡を残している。

■最高経営責任者(CEO)が世代交代している。

■当初の主力商品(またはサービス)のライフ・サイクルを超えて繁栄している。

■1950年以前に設立されている。

※この調査では、1950年以前に設立された企業を対象とした。別の基準としては、設立後50年を経過していることとすることもできる。

上記がこの本でビジョナリー・カンパニーの定義とした内容です。

この条件に当時、該当している企業群が下記の18社になります。

3M
アメリカン・エキスプレス
ボーイング
シティコープ
フォード
GE
ヒューレッド・パッカード
IBM
ジョンソン&ジョンソン
マリオット
メルク
モトローラ
ノードストローム
P&G
フィリップ・モリス
ソニー
ウォルマート
ウォルト・ディズニー

こちらの18社が、その他の同業他社とどういった事が異なる点なのか、企業カルチャーを含めた決断や、当時の時代背景も合わせて解説されていきます。

ビジョナリー・カンパニーの経営成果の共通点は、一様にどんな時代を通じても企業価値の向上に努め、結果的に株価という形で、他の企業を圧倒している点にありました。

長い年月(50年以上)の間、その時期、その時期の点でみれば、ビジョナリー・カンパニーよりも業績や株価が好調な企業は他にもありますが、線でみた時には、当時のイケイケどんどん企業達は淘汰されていて、結果的にビジョナリー・カンパニーの圧倒的な優位性が目立つ結果になっています。

ビジョナリー・カンパニーの8つの共通カルチャーとは?

ビジョナリー・カンパニーには、業界が違えど、相通じるカルチャーや仕組みが働いている事が、ことさら強調されています。

その共通ポイントは8つあります。

1つずつピックアップしていきます。

■企業そのものが究極の作品である。

■「ORの抑圧」をはねのけ、「ANDの才能」を活かす。

■基本理念を維持し、進歩を促す。

■社運を賭けた大胆な目標を掲げる。

■カルトのような企業文化。

■大量のものを試して、うまくいったものを残す。

■生え抜きの経営陣。

■決して満足しない。

細かく説明すると、もっと出てくるんですが、ここでは大きな枠での共通項目を記載しました。

中でも、カリスマ経営者に頼らない考え方、そうは言ってもビジョナリー・カンパニーの経営者はことごとく優れていますが、元ZOZOの前澤友作さんのように全面には出てきません。

企業そのものが、優れていくような指導や先導役として、経営者は機能しています。

簡単な例で言いますと、失敗をたくさん認めて、挑戦を奨励するなどが分かりやすいと思います。

そう言った挑戦を、企業理念と結び付け、更には昇進や昇給とも結びつけるように社内制度を設計しています。

この辺りは、本当に優れています。

いくら「挑戦してもいいよ」と言われても評価に直結しなければ、人間は保守的な動物なので、表面上の制度に誰もBETしませんよね。

■社運を賭けた大胆な目標を掲げる。

これも重要ですよね。故スティーブ・ジョブズは、製品開発に一切の妥協なく部下や、プロダクト製作チームを鼓舞したと言われています。

当時は、大変過ぎて死にそうと当時の部下たちは語っていますが、結局一番楽しかった仕事は、ジョブズと激務をこなしていた時期だったとドキュメンタリーで語っています。

やはり人間は、自分の能力以上の目標にBETしている時に、今まで眠っていた能力が開花されて偉大な目標を達成できるんだと思います。

そして、1番の収穫は、そんな活気溢れるメンバー達が周囲に火を付けて社内全体にワクワクが伝染していく事です。

そんな会社では、誰もが自分の能力に挑戦できる最高の環境を求めて良い人材も流入してきますよね。

企業と言えど、所詮は人間の集合体です。人材が1番重要な経営リソースなのです。

【まとめ】ビジョナリー・カンパニーを読んで投資に活かす

話は最初に戻して、投資対象企業をこのビジョナリー・カンパニーの法則に当てはめて選別していくと、今まで見向きもしなかった企業や、気になっていたけどバリュエーションが高いなと思っていた企業群が浮上してきました。

点でみるとバリュエーションが高くても、ストーリーでみると、更に成長してきた過去を思うと、企業の一部を(株)購入できるかなと、別の視点で対象企業を俯瞰して見れるようになりました。

やはり、偉大な企業はいつの時代も輝いているんですね。

とかくメディアでは、流行りの経営者や、トレンド系のサービスをリリースしている企業群に陽の目を当てますが、ビジョナリー・カンパニーは、栄枯盛衰のもと常に地道な努力を継続してきたんですよね。

そんなこんなんで、四季報からビジョナリー・カンパニー、そして投資の意思決定にまつわる話でした。


コメント

タイトルとURLをコピーしました